(派遣元の責務13)日雇労働者についての労働者派遣の禁止 of 労働者派遣法のポイント

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(派遣元の責務13)日雇労働者についての労働者派遣の禁止

 派遣元事業主は、その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務のうち、労働者派遣により日雇労働者(日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者をいいます。以下同じ。)を従事させても当該日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務について労働者派遣をする場合又は雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合等を除いて、その雇用する日雇労働者について労働者派遣を行ってはならないこととされています(法第35条の3)。

 これは、日雇派遣については、必要な雇用管理がなされず、労働者保護が果たされない等といった課題が指摘されており、そのため、特別な場合を除いて、日雇派遣が原則禁止されました。

禁止の範囲

 禁止される日雇派遣の範囲は、日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者の派遣です。そのため、労働契約の期間が31日以上であれば、労働者派遣契約の期間が30日以内であったとしても、日雇派遣の禁止に違反とはなりません。

 ただし、例えば、労働者派遣の期間が1日しかないにもかかわらず31日以上の労働契約を締結することや労働契約の初日と最終日しか労働者派遣の予定がないにもかかわらず当該期間を通じて労働契約を締結するなど、社会通念上明らかに適当とはいえない労働契約については、日雇派遣の禁止の適用を免れることを目的とした行為であると解されます。

禁止の例外

 日雇派遣の禁止の例外として認められるものは、次のとおりです。

イ 労働者派遣の対象となる日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務として、令第4条第1項各号に掲げる業務(17.5業務)が該当します。

ロ 雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合等として、労働者派遣の対象となる日雇労働者が次の①から④までのいずれかに該当する場合(令第4条第2項、則第28条の2、則第28条の3)。

① 労働者派遣の対象となる日雇労働者が60歳以上である場合

② 労働者派遣の対象となる日雇労働者が学校教育法第1条、第124条又は第134条第1項の学校の学生又は生徒である場合(定時制の課程に在学する者、通信制の課程に在学する者、卒業見込証明書を有する者であって、卒業前に雇用保険の適用事業に就職し、卒業後も引き続きその事業に勤務する予定のもの、休学中の者、事業主の命により雇用関係を存続したまま大学院等に在学する者等を除く。)

③ 労働者派遣の対象となる日雇労働者の生業収入の額が500万円以上である場合(副業として日雇派遣に従事させる場合)

 「生業収入」とは、主たる業務の収入のことをいい、例えば、労働者派遣の対象となる日雇労働者が複数の業務を兼務している場合には、その収入額が最も高い業務が主たる業務となります。また、使用者から労働の対価として支払われるものに限られるものではなく、例えば、不動産の運用収入やトレーディング収入(株式売買、投資信託、外国為替及び先物取引等による収入)等も「生業収入」に含まれます。

④ 労働者派遣の対象となる日雇労働者が主として生計を一にする配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含みます。)その他の親族(以下「配偶者等」といいます。)の収入により生計を維持している場合であって、世帯収入が500万円以上である場合(主たる生計者以外の者を日雇派遣に従事させる場合)

 「主として生計を一にする配偶者等の収入により生計を維持している」とは、世帯全体の収入に占める労働者派遣の対象となる日雇労働者の収入の割合が50%未満であることをいいます。

 「生計を一にする」か否かの判断は、実態として、労働者派遣の対象となる日雇労働者が配偶者等の収入により生計を維持しているかどうかにより確認するものとし、必ずしも配偶者等と同居している必要はありません。したがって、例えば、両親の収入により生計を維持している子供が単身で生活をしている場合であっても、世帯収入が500万円以上であれば対象となります。

 「世帯収入」には、労働者派遣の対象となる日雇労働者の収入も含まれます。また、「収入」とは、使用者から労働の対価として支払われるものに限られるものではなく、例えば、不動産の運用収入やトレーディング収入(株式売買、投資信託、外国為替及び先物取引等による収入)等も含まれます。

要件の確認方法

 上記ロの①、②、④に該当するか否かの確認は、年齢が確認できる公的書類(住民票、健康保険証、運転免許証等)、学生証、配偶者等と生計を一にしているかどうかを確認できる公的書類(住民票、健康保険証)等によることを基本とします。ただし、合理的な理由によってこれらの書類等が用意できない場合、これらの書類等のみでは判断できない場合(昼間学生に該当するか否か等)等には、やむを得ない措置として日雇労働者本人からの申告(誓約書の提出)によることとしても差し支えありません。

 上記ロの③又は④の収入要件を満たしているか否かの確認は、労働者派遣の対象となる日雇労働者本人やその配偶者等の所得証明書、源泉徴収票の写し等によることを基本とします。ただし、合理的な理由によりこれらの書類等が用意できない場合等には、やむを得ない措置として労働者派遣の対象となる日雇労働者本人からの申告(誓約書の提出)によることとしても差し支えありません。

 上記ロの③又は④の収入要件は前年の収入により確認することとされており、前年の収入が500万円以上である場合であっても、当年の収入が500万円を下回ることが明らかとなった場合には、日雇派遣の禁止の例外として認められません。

 労働者派遣の対象となる日雇労働者の従事する業務が上記イに該当するかどうか、又は労働者派遣の対象となる日雇労働者が上記ロに該当するかどうかの確認は、労働契約の締結ごとに行う必要があります。

 また、上記ロに該当するかどうかについて、労働契約の締結時には書類等による確認ができなかったが、その後、書類等による確認ができるようになった場合には、事後的であっても書類等により確認することを基本とします。

 派遣元事業主は、要件の確認に用いた書類等を保存しておく必要はありませんが、例えば、派遣元管理台帳に記録を残しておくなど、どのような種類の書類等により要件の確認を行ったかが分かるようにしておく必要があります。

 ただし、要件の確認を誓約書の提出により行った場合には、事後のトラブル等を未然に防止するためにも、当該誓約書を派遣元管理台帳と合わせて管理しておくことが望ましいでしょう。その際、書類等による確認ではなく誓約書によることとなった理由についても分かるようにしておくことが望ましいといえます。

違反の場合

 違反した場合、派遣元事業主は、許可の取消し(労働者派遣法第14条第1項)、事業停止命令(労働者派遣法第14条第2項、労働者派遣法第21条第2項)、改善命令(労働者派遣法第49条第1項)の対象となります。

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