(派遣元の責務2)均衡を考慮した待遇の確保のための措置 of 労働者派遣法のポイント

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(派遣元の責務2)均衡を考慮した待遇の確保のための措置

 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の賃金水準との均衡を考慮しつつ、その派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準又はその派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力若しくは経験等を勘案して、その派遣労働者の賃金を決定するように配慮しなければなりません(労働者派遣法第30条の2第1項)。

 また、派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者との均衡を考慮しつつ、その派遣労働者について、教育訓練及び福利厚生の実施その他その派遣労働者の円滑な派遣就業の確保のために必要な措置を講ずるように配慮しなければなりません(労働者派遣法第30条の2第2項)。

法の趣旨

 派遣労働者の待遇については、実態として正社員との間で格差が存在すること等が指摘されています。このため、派遣元事業主に対して、派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の賃金水準との均衡を考慮しつつ、その派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準、その派遣労働者の職務内容等を勘案して、その派遣労働者の賃金を決定するように配慮義務を課すものです。

 また、派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者との均衡を考慮しつつ、教育訓練・福利厚生の実施等の措置を講ずるように配慮義務を課すものです。

 なお、均衡を考慮した待遇の確保のための措置が適切に講じられるように、派遣先は、派遣元事業主からの求めに応じて、派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する派遣先の労働者に関する情報で、この措置に必要な情報を提供するなど、必要な協力をするように努めなければなりません(労働者派遣法第40条第3項)。

 この規定に関連して、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」第2の9の(1)において、派遣先は、労働者派遣法第40条第3項の規定に基づき、派遣元事業主の求めに応じて、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事している労働者等の賃金水準、教育訓練、福利厚生等の実状を把握するために必要な情報を派遣元事業主に提供するとともに、派遣元事業主がその派遣労働者の成果等に応じた適切な賃金を決定できるように、派遣元事業主からの求めに応じて、その派遣労働者の職務の評価等に協力をするよう努めなければならないものとされています。

均衡を考慮した待遇の確保のための措置に関する留意点

 「派遣労働者の従事する業務と同種の業務」に該当するか否かについては、業務内容等を勘案しつつ、個々の実態に即して判断される必要がありますが、例えば、複数の労働者がチームを組んで作業する場合に、そのチームメンバーの一員として派遣労働者も参画し、かつ、派遣先に雇用される労働者と同様の業務に従事している場合等には、基本的には「同種の業務」に従事しているものとして取り扱われることが考えられます。また、厚生労働省編職業分類の細分類項目を参考にすることも考えられます。

 ここで、均衡を考慮する必要がある「賃金」の範囲は、労働基準法の賃金に含まれるかどうかにより判断されます。

 「派遣労働者の円滑な派遣就業の確保のために必要な措置」とは、例えば、福利厚生施設の利用、職場内研修への参加等が考えられます。

 また、各種手当等の取扱いについても、派遣先に雇用される労働者等との均衡等を踏まえた措置を講ずることが望ましいといえます。

 なお、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の賃金水準との均衡を考慮した結果のみをもって、その派遣労働者の賃金を従前より引き下げるような取扱いは、法第30条の2第1項の趣旨を踏まえた対応とはいえませんし、労働契約の一方的な不利益変更との関係でも問題が生じる可能性があります。

 「労働者派遣に係る業務を円滑に遂行する上で有用な物品の貸与や教育訓練の実施等」とは、例えばOA機器操作を円滑に行うための周辺機器の貸与や、着衣への汚れを防止するための衣服、手袋等の支給、業務を迅速に進めるための研修の受講等、様々なものが考えられます。

 派遣元事業主は、派遣先に対し、派遣労働者と同種の業務に従事している労働者等の福利厚生等の実状について情報提供を求めたり、派遣労働者に要望を聴取する等を通じて実状を把握して、必要な措置を講ずるよう努めなければなりません。

派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針

 なお、この措置に関連して、「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」においても、均衡を考慮した待遇の確保に関して、次のような内容が盛り込まれています。

(派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針(抄))

第2 派遣元事業主が講ずべき措置

8 派遣労働者の雇用の安定及び福祉の増進等

(2) 派遣先の労働者との均衡に配慮した取扱い

イ 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の賃金の決定に当たっては、労働者派遣法第30条の2第1項の趣旨を踏まえ、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の賃金水準との均衡を考慮しつつ、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準又は当該派遣労働者の職務の内容、能力若しくは経験等を勘案するよう努めること。また、派遣元事業主は、派遣労働者の職務の成果、意欲等を適切に把握し、当該職務の成果等に応じた適切な賃金を決定するよう努めること。

ロ 派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の賃金水準との均衡を考慮した結果のみをもって、当該派遣労働者の賃金を従前より引き下げるような取扱いは、労働者派遣法第30条の2第1項の趣旨を踏まえた対応とはいえないこと。

ハ 派遣元事業主は、労働者派遣法第30条の2第2項の趣旨を踏まえ、労働者派遣に係る業務を円滑に遂行する上で有用な物品の貸与や教育訓練の実施等を始めとする派遣労働者の福利厚生等の措置について、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の福利厚生等の実状を把握し、当該派遣先に雇用される労働者との均衡に配慮して必要な措置を講ずるよう努めること。

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