個人情報保護法の遵守 of 労働者派遣法のポイント

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個人情報保護法の遵守

1 個人情報取扱事業者に該当する派遣元事業主

 派遣元事業主は、LinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(3)によって、個人情報取扱事業者に該当する場合は、個人情報保護法第4章第1節に規定する義務を遵守しなければなりません。
 具体的には、個人情報取扱事業者に該当する派遣元事業主は、次に掲げる措置を講じる必要があります。

(1)利用目的の特定(個人情報保護法第15条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

① 個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱う場合は、その利用目的をできるだけ特定しなければなりません。

② 個人情報取扱事業者は、利用目的を変更する場合は、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行うことはできません。

(ロ)講ずべき措置等

① (イ)の①の個人情報の利用目的の特定にあたっては、抽象的、一般的に特定するのではなく、できるだけ、具体的、個別的に特定するとともに、その個人情報の本人からみて、自らの個人情報の利用される範囲が合理的に予想できる程度に特定する必要があります。

② 派遣元事業主は、労働者派遣法第24条の3第1項とLinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(1)のイ及びニによって、労働者派遣業務(紹介予定派遣をする場合における職業紹介を含みます。)の目的の達成に必要な範囲内(派遣労働者となろうとする者を登録する際はその労働者の希望及び能力に応じた就業の機会の確保を図る目的の範囲内、派遣労働者として雇用し労働者派遣を行う際はその派遣労働者の適正な雇用管理を行う目的の範囲内)でのみ派遣労働者等の個人情報を収集すること、その収集の目的の範囲内でのみこれを保管すること、及び使用する(派遣先に提供することができる派遣労働者の個人情報は、労働者派遣法第35条の規定によって派遣先に通知すべき事項のほか、その派遣労働者の業務遂行能力に関する情報に限られます。)ことが原則です。

 このため、労働者派遣事業の実施に伴って収集等される派遣労働者等の個人情報については、労働者派遣法第24条の3第1項ただし書及びLinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(1)のニのただし書に該当する場合(他の保管若しくは使用目的を示して本人の同意を得た場合又は他の法律に定めのある場合)を除いて、「労働者派遣業務」又は紹介予定派遣も行う場合は「労働者派遣業務」及び紹介予定派遣をする場合の職業紹介業務(求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんする業務)」として利用目的を特定すべきとされています。

③ 労働者派遣法及びLinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針においては、労働者派遣法第24条の3第1項ただし書及びLinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(1)のニのただし書に該当する場合は、派遣労働者等の個人情報の労働者派遣業務(紹介予定派遣をする場合における職業紹介を含みます。)以外の目的での利用も可能ですが、この場合でも、(イ)の①のとおり、その利用目的をできる限り特定する必要があります。

(2)利用目的による制限(個人情報保護法第16条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

① 個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、「(1)利用目的の特定」によって特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはなりません。

② 個人情報取扱事業者は、合併その他の事由により他の個人情報取扱事業者から事業を承継することに伴って個人情報を取得した場合は、あらかじめ本人の同意を得ないで、承継前におけるその個人情報の利用目的の達成に必要な範囲を超えて、その個人情報を取り扱ってはなりません。

③ ①と②は、次に掲げる場合は、適用しません。

  1. 法令に基づく場合。
  2. 人の生命、身体又は財産の保護のために必要な場合で、本人の同意を得ることが困難なとき。
  3. 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要な場合で、本人の同意を得ることが困難なとき。
  4. 国の機関、地方公共団体、その委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合で、本人の同意を得ることによってその事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。

(ロ)講ずべき措置等

 労働者派遣法及びLinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針においては、労働者派遣法第24条の3第1項ただし書及びLinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(1)のニのただし書に該当する場合(他の保管若しくは使用の目的を示して本人の同意を得た場合又は他の法律に定めのある場合)を除いて、派遣労働者等の個人情報については、労働者派遣業務(紹介予定派遣をする場合における職業紹介を含みます。)に利用目的が限定されていますので、その利用目的の達成に必要な範囲を超えた利用は、基本的にできません。

(3)適正な取得(個人情報保護法第17条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

 個人情報取扱事業者は、偽りその他不正の手段によって個人情報を取得してはなりません。

(ロ)講ずべき措置等

 派遣元事業主は、LinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(1)のロによって、派遣労働者等の個人情報を収集する際には、本人から直接収集し、又は本人の同意の下で本人以外の者から収集するなど適法かつ公正な手段によることとされています。

(4)取得に際しての利用目的の通知等(個人情報保護法第18条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

① 個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除いて、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければなりません。

② 個人情報取扱事業者は、①にかかわらず、本人との間で契約を締結することに伴って契約書などの書面(電子的方式、磁気的方式などで作られる記録を含みます。)に記載されたその本人の個人情報を取得する場合など、本人から直接書面に記載されたその本人の個人情報を取得する場合は、あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければなりません。ただし、人の生命、身体又は財産の保護のためなど緊急の場合は、この限りではありません。

③ 個人情報取扱事業者は、利用目的を変更した場合は、変更された利用目的について、本人に通知するか、公表しなければなりません。

④ ①から③までは、次の場合は、適用されません。

  1. 利用目的を本人に通知するか、公表することによって本人や第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合
  2. 利用目的を本人に通知するか、公表することによってその個人情報取扱事業者の権利又は正当な利益を害するおそれがある場合
  3. 国の機関や地方公共団体が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合で、利用目的を本人に通知するか、公表することによってその事務の遂行に支障のおそれがある場合
  4. 取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合

(ロ)講ずべき措置等

① (イ)の①のとおり、個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除いては、速やかに、その利用目的を、本人に通知するか、公表することとされていますので、派遣元事業主は、あらかじめその利用目的を公表しておくことが望ましいでしょう。
 この「公表」には、例えば、ホームページへの掲載、事業所の窓口等への掲示・備付け、パンフレット等の配布等が考えられます。
 (イ)の①の「個人情報を取得した場合」とは、派遣労働者となろうとする者の登録等による個人情報の取得のほか、例えば、次のような場合も含まれます。

  1. インターネット上で本人が自発的に公表している個人情報を取得した場合
  2. インターネット、官報、職員録等から個人情報を取得した場合
  3. 電話による問い合わせやクレームのように本人により自発的に提供される個人情報を取得した場合
  4. 個人情報の第三者提供を受けた場合

② (イ)の②のとおり、個人情報取扱事業者は、(イ)の①にかかわらず、本人との間で契約を締結することに伴って契約書などの書面に記載された本人の個人情報を取得する場合など、本人から直接書面に記載された本人の個人情報を取得する場合は、あらかじめ、その本人に対して、その利用目的を明示する必要があります。

③ 「派遣労働者登録申込書」等により直接本人から個人情報を取得する場合については、その個人情報が労働者派遣業務に利用されることが明らかですので、(イ)の④のⅳの「取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合」に該当します。
 一方、アンケート調査票等に記載された個人情報を労働者派遣業務に利用する場合は、(イ)の④のⅳに該当しませんので、(イ)の①又は②による利用目的の通知等が必要です。

 ただし、トラブル防止等の観点からは、派遣労働者登録申込書、アンケート調査票等、本人から直接個人情報を取得する書面には、その書面によって取得される個人情報の利用目的を併せて記載するなど、その利用目的が明示されるようにしておくことが望ましいといえるでしょう。

④ (イ)の③のとおり、個人情報取扱事業者は、利用目的を変更した場合は、変更された利用目的について、本人に通知するか、公表しなければならないこととされていますが、この利用目的の変更は、「(1)利用目的の特定」の(イ)の②のとおり、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはなりません。

⑤ (イ)の①から③までにかかわらず、(イ)の④のⅰからⅳまでに掲げる場合は、利用目的の通知等を行うことは必要ありません。
 例えば、一般の慣行として名刺を交換する場合に、取得した個人情報の利用目的が「今後の連絡のため」であるとき、①のⅲのような場合、取得した個人情報の利用目的が「問い合わせ等に回答するため」であるときなど、(イ)の④のⅳの「取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合」に該当しますので、このような場合には利用目的の通知等の必要はありません。
 ただし、その名刺等により取得した個人情報をその他の目的に転用する場合には、「取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合」にはあたりませんので、個人情報取扱事業者は、(イ)の①又は②のとおり、利用目的の通知等をする必要があります。

(5)データ内容の正確性の確保(個人情報保護法第19条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

 個人情報取扱事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内で、個人データを正確かつ最新の内容に保つよう努めなければなりません。

(ロ)講ずべき措置等

 派遣元事業主は、労働者派遣法第24条の3第2項及びLinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(2)のイの(イ)によって、その保管又は使用に係る派遣労働者等の個人情報に関して、派遣労働者等の個人情報を目的に応じて必要な範囲において正確かつ最新のものに保つための措置を適切に講ずることとされています。
 なお、これらは、保有する個人データを一律に最新化することを求めているわけではなく、それぞれの利用目的に応じて、その必要な範囲内で正確性・最新性を確保することを求めているにすぎません。
 また、(イ)の趣旨から、不要となった個人情報は廃棄又は削除するなど、特にLinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(2)のイの(ニ)の措置が重要です。

(6)安全管理措置(個人情報保護法第20条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

 個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又はき損の防止その他の個人データの安全管理のために、必要かつ適切な措置を講じなければなりません。

(ロ)講ずべき措置等

 派遣元事業主は、労働者派遣法第24条の3第2項、LinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(2)のイの(ロ)、(ハ)、(ニ)、ロ、ハの(イ)、(ロ)によって、その保管又は使用に係る派遣労働者等の個人情報に関して、派遣労働者等の個人情報の紛失、破壊、改ざんを防止するための措置を適切に講ずる必要があります。

(7)従業者の監督(個人情報保護法第21条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

 個人情報取扱事業者は、その従業者に個人データを取り扱わせる場合は、その個人データの安全管理が図られるように、その従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければなりません。

(ロ)講ずべき措置等

① 派遣元事業主は、労働者派遣法第24条の3第2項、LinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(2)のイの(ロ)、(ハ)、(ニ)、ロ、ハの(イ)、(ロ)によって、個人情報を取り扱う者に対する研修等教育訓練に関する事項等を含む個人情報適正管理規程を作成して、これを遵守する必要があります。

② 「従業者」とは、個人情報取扱事業者の組織内にあって直接、間接に事業主の指揮監督を受けて事業主の業務に従事している者をいい、事業主と雇用関係にある労働者(正社員、契約社員、嘱託社員、パート社員、アルバイト社員等)だけでなく、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者、取締役等も含まれます。

(8)委託先の監督(個人情報保護法第22条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

 個人情報取扱事業者は、個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合は、その取扱いを委託された個人データの安全管理が図られるように、委託を受けた者に対して必要かつ適切な監督を行わなければなりません。

(ロ)講ずべき措置等

① LinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(2)のロの「厳重な管理」等には、委託先の監督も含まれますので、(イ)のとおり、個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合は、その委託者である個人情報取扱事業者は、委託先に対する監督責任があります。

② 「必要かつ適切な監督」には、委託先が行うべき必要かつ適切な安全管理措置の内容を委託契約に盛り込むことや安全管理措置の内容が遵守されていることを定期的に確認することなどが含まれます。

(9)第三者提供の制限(個人情報保護法第23条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

① 個人情報取扱事業者は、次に掲げる以外の場合は、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはなりません。

  1. 法令に基づくとき。
  2. 人の生命、身体又は財産の保護のために必要な場合で、本人の同意を得ることが困難なとき。
  3. 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要な場合で、本人の同意を得ることが困難なとき。
  4. 国の機関、地方公共団体、その委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合で、本人の同意を得ることによってその事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。

② 個人情報取扱事業者は、第三者に提供される個人データについて、本人の求めに応じて本人が識別される個人データの第三者への提供を停止することとしている場合で、次に掲げる事項について、あらかじめ、本人に通知するか、本人が容易に知り得る状態に置いているときは、①にかかわらず、その個人データを第三者に提供することができます。

  1. 第三者への提供を利用目的とすること。
  2. 第三者に提供される個人データの項目。
  3. 第三者への提供の手段又は方法。
  4. 本人の求めに応じて本人が識別される個人データの第三者への提供を停止すること。

③ 個人情報取扱事業者は、②のⅱ又はⅲに掲げる事項を変更する場合は、変更する内容について、あらかじめ、本人に通知するか、又は本人が容易に知り得る状態に置かなければなりません。

④ 次に掲げる場合、個人データの提供を受ける者は、①から③までの適用について、第三者に該当しません。

  1. 個人情報取扱事業者が利用目的の達成に必要な範囲内において個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合
  2. 合併その他の事由による事業の承継に伴って、個人データが提供される場合
  3. 個人データを特定の者との間で共同して利用する場合で、その旨並びに共同して利用される個人データの項目、共同して利用する者の範囲、利用する者の利用目的及び個人データの管理について責任を有する者の氏名又は名称について、あらかじめ、本人に通知するか、又は本人が容易に知り得る状態に置いているとき。

⑤ 個人情報取扱事業者は、④のⅲの利用する者の利用目的、個人データの管理について責任を有する者の氏名、名称を変更する場合は変更する内容について、あらかじめ、本人に通知するか、又は本人が容易に知り得る状態に置かなければなりません。

(ロ)講ずべき措置等

① 派遣先に対して派遣労働者等の個人データを示す行為は、「第三者提供」に該当します。また、同一事業主内での他部門への個人データの提供は、「第三者提供」に該当しませんが、親子会社間、グループ会社間等での個人データの交換については、「第三者提供」に該当します。

② 労働者派遣法第35条によって、派遣元事業主は、労働者派遣をするときは、派遣労働者の氏名等を派遣先に通知しなければなりませんが、派遣元事業主が同条各号に掲げる事項を派遣先に通知する場合は、(イ)の①のⅰの「法令に基づく場合」に該当しますので、派遣元事業主は、あらかじめ本人の同意を得る必要はありません。

③ (イ)の①の同意を取得することが困難な場合((イ)の①のⅰからⅳまでの場合を除きます。)において、第三者提供を行うときは、個人情報取扱事業者は、必ず、(イ)の②の措置を講じる必要があります。
 なお、(イ)の②の「本人が容易に知りうる状態」とは、例えば、ホームページへの掲載、事業所の窓口等への掲示・備付け等の「公表」が継続的に行われている状態をいいます。

④ (イ)の②の措置を講じていない場合((イ)の①のⅰからⅳまでに該当する場合を除きます。)において、第三者提供を行うときは、個人情報取扱事業者は、(イ)の①によって、あらかじめ、第三者に提供される個人データに係る本人の同意を得ることが必要です。
 この場合、例えば、派遣労働者登録申込書に、派遣先に提供される個人データの範囲を明らかにして、労働者派遣に必要な範囲(LinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(1)のニに定める範囲)で個人データが派遣先に提供されることについての同意欄を設けるなど、必ず派遣労働者となろうとする者から、あらかじめ同意を得ることが必要です。
 なお、この「同意」の取得の方法は、トラブル防止等の観点から、書面による取得など事後に「同意」の事実を確認できるような形が望ましいでしょう。

⑤ 派遣元事業主が派遣先に提供することができる派遣労働者の個人情報については、LinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(1)のニによって、他の保管、使用の目的を示して本人の同意を得た場合、他の法律に定めのある場合を除いて、労働者派遣法第35条の規定によって派遣先に通知すべき事項のほか、その派遣労働者の業務遂行能力に関する情報に限られます。

(10)保有個人データに関する事項の公表等(個人情報保護法第24条及び個人情報保護法施行令第5条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

① 個人情報取扱事業者は、保有個人データに関して、次に掲げる事項について、本人の知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含みます。)に置かなければなりません。

  1. 個人情報取扱事業者の氏名又は名称
  2. すべての保有個人データの利用目的(上記「(4)取得に際しての利用目的の通知等」の(イ)の④のⅰからⅲまでに該当する場合を除きます。)
  3. ②、下記「(11)開示」の(イ)の①、「(12)訂正等」の(イ)の①、「(13)利用停止等」の(イ)の①と②による求めに応じる手続(「(16)手数料の(イ)の②によって手数料の額を定めたときは、その手数料の額を含みます。)
  4. 個人情報取扱事業者が行う保有個人データの取扱いに関する苦情の申出先
  5. 個人情報取扱事業者が認定個人情報保護団体の対象事業者である場合は、その認定個人情報保護団体の名称及び苦情の解決の申出先

② 個人情報取扱事業者は、本人から、その本人が識別される保有個人データの利用目的の通知を求められたときは、本人に対して、遅滞なく、これを通知しなければなりません。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでありません。

  1. ①によって本人が識別される保有個人データの利用目的が明らかな場合
  2. 「(4)取得に際しての利用目的の通知等」の(イ)の④のⅰからⅲまでに該当する場合

③ 個人情報取扱事業者は、②に基づいて求められた保有個人データの利用目的を通知しない旨の決定をしたときは、本人に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければなりません。

(ロ)講ずべき措置等

① 派遣元事業主は、LinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(2)のハの(ハ)、(ニ)によって、個人情報適正管理規程を作成する必要がありますが、(イ)の①によって、個人情報取扱事業者は、保有個人データに関して、個人情報取扱事業者の氏名又は名称、その利用目的(「(1)利用目的の特定」の(イ)の①によって特定された利用目的)、開示等の求めに応じる手続等について、本人の知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含みます。)に置く必要があります。

② (イ)の①の「本人の知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含みます。)」とは、例えば、ホームページへの掲載、事業所の窓口等への掲示・備付け等の「公表」が継続的に行われている状態、問い合わせ窓口において問い合わせに対応できる状態などをいいます。

(11)開示(個人情報保護法第25条及び個人情報保護法施行令第6条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

① 個人情報取扱事業者は、本人から、その本人が識別される保有個人データの開示(本人が識別される保有個人データが存在しないときにその旨を知らせることも含みます。)を求められたときは、本人に対して、書面の交付による方法(開示を求めた者が同意した方法があるときは、その方法)によって、遅滞なく、その保有個人データを開示しなけれえばなりません。
 ただし、開示することによって、次のいずれかに該当する場合は、その全部又は一部を開示しないことができます。

  1. 本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合。
  2. 個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合。
  3. 他の法令に違反することになる場合。

② 個人情報取扱事業者は、①に基づき求められた保有個人データの全部又は一部について、開示しない旨の決定をしたときは、本人に対して、遅滞なく、その旨を通知しなければなりません。

③ 他の法令の規定によって、本人に対し①に規定する方法に相当する方法によって本人が識別される保有個人データの全部又は一部を開示することとされている場合は、その全部又は一部の保有個人データについては、①は、適用されません。

(ロ)講ずべき措置等

① 派遣元事業主は、LinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(2)のハの(ハ)によって、個人情報適正管理規程を作成して、これを遵守する必要がありますが、(イ)の①によって、個人情報取扱事業者は、本人の求めに応じて保有個人データの開示を行う必要があります。

② 個人情報取扱事業者は、開示の求めに十分に対応できるように必要な体制整備等を図ることが重要です。

③ 保有個人データの中に人事評価等の情報が含まれている場合は、開示することによって人事管理等の業務に著しい支障を及ぼすおそれがあるときは、(イ)の①のⅱの「当該個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合」に該当します。

(12)訂正等(個人情報保護法第26条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

① 個人情報取扱事業者は、本人から、その本人が識別される保有個人データの内容が事実でないという理由でその保有個人データの内容の訂正、追加又は削除を求められた場合は、その内容の訂正等に関して他の法令の規定によって、特別の手続が定められている場合を除いて、利用目的の達成に必要な範囲内で、遅滞なく必要な調査を行って、その結果に基づき、その保有個人データの内容の訂正等を行わなければなりません。

② 個人情報取扱事業者は、①に基づき求められた保有個人データの内容の全部若しくは一部について訂正等を行ったとき、又は訂正等を行わない旨の決定をしたときは、本人に対して、遅滞なく、その旨(訂正等を行ったときは、その内容を含みます。)を通知しなければなりません。

(ロ)講ずべき措置等

① 派遣元事業主は、LinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(2)のハの(ハ)によって、個人情報適正管理規程を作成して、これを遵守する必要がありますが、(イ)の①によって、個人情報取扱事業者は、一定の場合に、本人の求めに応じて保有個人データの内容の訂正等を行う必要があります。

② 個人情報取扱事業者は、訂正等の求めに十分に対応できるように必要な体制整備等を図ることが重要です。

(13)利用停止等(個人情報保護法第27条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

① 個人情報取扱事業者は、本人から、その本人が識別される保有個人データが「(2)利用目的による制限」の(イ)に違反して取り扱われているという理由、「(3)適正な取得」の(イ)に違反して取得されたものであるという理由によって、その保有個人データの利用の停止、消去を求められた場合、その求めに理由があることが判明したときは、違反を是正するために必要な限度で、遅滞なく、その保有個人データの利用停止等を行わなければなりません。
 ただし、その保有個人データの利用停止等に多額の費用を要する場合など利用停止等を行うことが困難な場合に、本人の権利利益を保護するため必要な代替措置をとるときは、この限りではありません。

② 個人情報取扱事業者は、本人から、その本人が識別される保有個人データが「(9)第三者提供の制限」の(イ)の①に違反して、第三者に提供されているという理由で、保有個人データの第三者への提供の停止を求められた場合、その求めに理由があることが判明したときは、遅滞なく、その保有個人データの第三者への提供を停止しなければなりません。
 ただし、その保有個人データの第三者への提供の停止に多額の費用を要する場合など第三者への提供を
停止することが困難な場合に、本人の権利利益を保護するため必要な代替措置をとるときは、この限りではありません。

③ 個人情報取扱事業者は、①に基づき求められた保有個人データの全部若しくは一部について利用停止等を行ったとき、利用停止等を行わない旨の決定をしたとき、②に基づき求められた保有個人データの全部若しくは一部について第三者への提供を停止したとき、第三者への提供を停止しない旨の決定をしたときは、本人に対して、遅滞なく、その旨を通知しなければなりません。

(ロ)講ずべき措置等

① 派遣元事業主は、LinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(2)のハの(ハ)によって、個人情報適正管理規程を作成して、これを遵守する必要がありますが、(イ)の①及び②によって、個人情報取扱事業者は、一定の場合に、本人の求めに応じて保有個人データの利用停止等又は第三者への提供の停止を行う必要があります。

② 個人情報取扱事業者は、利用停止等又は第三者への提供の停止の求めに十分に対応できるよう必要な体制整備等を図ることが重要です。

(14)理由の説明(個人情報保護法第28条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

 個人情報取扱事業者は、「(10)保有個人データに関する事項の公表等」の(イ)の③、「(11)開示」の(イ)の①、「(12)訂正等」の(イ)の①、「(13)利用停止等」の(イ)の③によって、本人から求められた措置の全部又は一部について、その措置をとらない旨を通知する場合やその措置と異なる措置をとる旨を通知する場合は、本人に対して、その理由を説明するよう努めなければなりません。

(ロ)講ずべき措置等

 (イ)の理由の説明については、努力義務ですが、LinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針に明示されていない手続ですので注意が必要です。

(15)開示等の求めに応じる手続(個人情報保護法第29条並びに個人情報保護法施行令第7条及び第8条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

① 個人情報取扱事業者は、「(10)保有個人データに関する事項の公表等」の(イ)の①、「(11)開示」の(イ)の①、「(12)訂正等」の(イ)の①、「(13)利用停止等」の(イ)の①と②による求めに関して、その求めを受け付ける方法として次に掲げる事項を定めることができます。
 この場合、本人は、その方法で開示等の求めを行うことになります。

  1. 開示等の求めの申出先
  2. 開示等の求めに際して提出すべき書面(電子的方式、磁気的方式などの記録を含みます。)の様式その他の開示等の求めの方式
  3. 開示等の求めをする者が本人又は代理人であることの確認の方法
  4. 「(16)手数料」の(イ)の①の手数料の徴収方法

② 個人情報取扱事業者は、本人に、開示等の求めに関して、その対象となる保有個人データを特定することができる事項の提示を求めることができます。
 この場合、個人情報取扱事業者は、本人が容易かつ的確に開示等の求めをすることができるように、その保有個人データの特定に役立つ情報の提供などの本人のために適切な措置をとらなければなりません。

③ 開示等の求めは、次に掲げる代理人でもできます。

  1. 未成年者又は成年被後見人の法定代理人
  2. 開示等の求めをすることについて本人が委任した代理人

④ 個人情報取扱事業者は、①から③までに基づき開示等の求めに応じる手続を定める場合、本人に過重な負担を課しないように配慮する必要があります。

(ロ)講ずべき措置等

① 派遣元事業主は、LinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(2)のハの(ハ)によって、個人情報適正管理規程を作成しなければなりませんが、この個人情報適正管理規程については、(イ)を踏まえた内容にしたほうがよいでしょう。

(16)手数料(個人情報保護法第30条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

① 個人情報取扱事業者は、「(10)保有個人データに関する事項の公表等」の(イ)の②による利用目的の通知、「(11)開示」の(イ)の①による開示を求められたときは、その実施のための手数料を徴収することができます。

② 個人情報取扱事業者は、①によって手数料を徴収する場合は、実費を勘案して合理的であると認められる範囲内で、その手数料の額を定めなければなりません。

(ロ)講ずべき措置等

① (イ)の手数料については、これを徴収することができるのは、(イ)の①のとおり、「(10)保有個人データに関する事項の公表等」の(イ)の②による利用目的の通知、「(11)開示」の(イ)の①による開示の場合に限られます。

(17)個人情報取扱事業者による苦情の処理(個人情報保護法第31条関係)

(イ)個人情報保護法等の規定

① 個人情報取扱事業者は、個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければなりません。

② 個人情報取扱事業者は、①の目的を達成するために必要な体制の整備に努めなければなりません。

(ロ)講ずべき措置等

 派遣元事業主は、LinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(2)のハの(ニ)によって、個人情報適正管理規程を作成して、これを遵守する必要がありますが、苦情の適切かつ迅速な処理に努めることが必要です。

2 個人情報取扱事業者に該当しない派遣元事業主

 派遣元事業主は、LinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(3)によって、個人情報取扱事業者に該当しない場合でも、個人情報取扱事業者に準じて、個人情報の適正な取扱いの確保に努める必要があります。

 なお、労働者派遣法第24条の3及びLinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(1)及び(2)に定める派遣労働者等の個人情報の取扱いの規定については、個人情報取扱事業者に該当しない派遣元事業主でも、遵守する必要があります。

個人情報保護法の用語の定義

(1)個人情報(個人情報保護法第2条第1項)

 「個人情報」とは、生存する個人に関する情報で、その情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等によって特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それによって特定の個人を識別することができるものを含みます。)をいいます。

 また、労働者派遣法第24条の3(LinkIcon個人情報の保護参照)とLinkIcon派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の第2の10の(1)と(2)の措置の対象は、派遣労働者等の個人情報に限定されていますが、個人情報保護法に基づく措置の対象については、派遣労働者等以外の者の個人情報(例:派遣先の担当者の個人情報、派遣労働者以外の労働者の個人情報等)も対象となります。

(2)個人情報データベース等(個人情報保護法第2条第2項及び個人情報保護法施行令第1条)

 「個人情報データベース等」とは、個人情報を含む情報の集合物で、次に掲げるものをいいます。

① 特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの
② ①のほか、これに含まれる個人情報を一定の規則に従って整理することによって、特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成した情報の集合物で、目次、索引その他検索を容易にするためのものを有するもの

(3)個人情報取扱事業者(個人情報保護法第2条第3項及び個人情報保護法施行令第2条)

 「個人情報取扱事業者」とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいいます。ただし、次に掲げる者は除きます。

① 国の機関
② 地方公共団体
③ 独立行政法人等(独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律第2条第1項に規定する独立行政法人等)
③ 地方独立行政法人(地方独立行政法人法第2条第1項に規定する地方独立行政法人)
④ その事業の用に供する個人情報データベース等を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数(その個人情報データベース等の全部又は一部が他人の作成による個人情報データベース等で個人情報として氏名、住所、居所(地図上又は電子計算機の映像面上において住所又は居所の所在の場所を示す表示を含みます。)、電話番号のみが含まれる場合で、これを編集し、又は加工することなくその事業の用に供するときは、その個人情報データベース等の全部又は一部を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数を除きます。)の合計が過去6月以内のいずれの日においても5,000を超えない者

 なお、④の適用に関しては、個人情報保護法施行令第2条の施行日(平成15年12月10日)の過去6か月以内のいずれかの日において、その特定の個人の数の合計が5,000を超えたことがある場合は、個人情報取扱事業者に該当します。また、5,000を超えたことがない場合は、個人情報取扱事業者に該当しません。
 ただし、個人情報取扱事業者に該当した場合でも、5,000を超えない日が6か月間継続している場合は、その6か月を経過した日以降は、再び5,000を超えるまで、個人情報取扱事業者には該当しません。
 また、個人情報取扱事業者に該当しなくなった場合でも、5,000を超えた場合には、その日以降5,000を超えない日が6か月間継続するまでは、個人情報取扱事業者に該当することになります。

(4)個人データ(個人情報保護法第2条第4項)

 「個人データ」とは、個人情報データベース等を構成する個人情報をいいます。

(5)保有個人データ(個人情報保護法第2条第5項並びに個人情報保護法施行令第3条及び第4条)

 「保有個人データ」とは、個人情報取扱事業者が、開示、内容の訂正、追加又は削除、利用の停止、消去及び第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有する個人データで、次に掲げるもの又は6か月以内に消去することとなるもの以外のものをいいます。

① その個人データの存否が明らかになることによって、本人又は第三者の生命、身体又は財産に危害が及ぶおそれがあるもの
② その個人データの存否が明らかになることによって、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがあるもの
③ その個人データの存否が明らかになることによって、国の安全が害されるおそれ、他国や国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ、他国や国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあるもの
④ その個人データの存否が明らかになることによって、犯罪の予防、鎮圧又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が及ぶおそれがあるもの

(6)本人(個人情報保護法第2条第6項)

 個人情報について「本人」とは、個人情報によって識別される特定の個人をいいます。

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