(派遣元の責務17)労働保険・社会保険の適切な加入ほか of 労働者派遣法のポイント

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(派遣元の責務17)労働保険・社会保険の適切な加入

 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の就業の状況等を踏まえて、労働保険・社会保険の適用手続(加入手続)を適切に進め、労働・社会保険に加入する必要がある派遣労働者については、加入させてから労働者派遣を行うことになっています。

 これは、新規に雇用する派遣労働者について労働者派遣を行う場合、労働者派遣の開始後、速やかに労働・社会保険の加入の手続を行うときも同様です。

派遣労働者に対する未加入の理由の通知

 派遣元事業主は、労働・社会保険に加入していない派遣労働者については、派遣先に対して通知したその派遣労働者が労働・社会保険に加入していない具体的な理由を、その派遣労働者に対しても通知する必要があります。

派遣労働者を特定することを目的とする行為に対する協力の禁止

 派遣元事業主は、紹介予定派遣の場合を除いて、派遣先が派遣労働者の特定を目的とする行為に協力してはなりません。

 「特定を目的とする行為」への「協力」とは、派遣先からの派遣労働者の指名行為に応じることだけでなく、例えば、派遣先への履歴書の送付、派遣先による派遣労働者の事前面接への協力など、派遣労働者の特定を目的とする行為に対する協力はすべて含まれます。

 なお、派遣労働者又は派遣労働者となろうとする者が、派遣就業を行う派遣先として適当であるかどうかを確認する等のために、その労働者等の自らの判断の下に、派遣就業開始前の事業所を訪問すること、履歴書を送付すること、派遣就業期間中の履歴書の送付をすることは、派遣先によって派遣労働者を特定することを目的とする行為が行われたことには該当しません。

 ただし、派遣元事業主は、派遣労働者又は派遣労働者となろうとする者に対してこれらの行為を求めないこととするなど、派遣労働者を特定することを目的とする行為への協力の禁止に触れないように、十分留意する必要があります。

 また、派遣労働者又は派遣労働者となろうとする者が、事業所訪問等を行わないことを理由とする不利益な取扱いを行ってはなりません。

性・年齢による差別的な取扱いの禁止

派遣労働者の性別の労働者派遣契約への記載の禁止

 職業安定法第3条の規定は労働者派遣事業にも適用があります。

職業安定法
(均等待遇)
第三条 何人も、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由として、職業紹介、職業指導等について、差別的取扱を受けることがない。但し、労働組合法の規定によつて、雇用主と労働組合との間に締結された労働協約に別段の定のある場合は、この限りでない。

 このため、派遣元事業主は、派遣先との間で労働者派遣契約を締結するにあたっては、職業安定法第3条の規定を遵守し、派遣労働者の性別を労働者派遣契約に記載したり、これに基づいて派遣労働者を派遣先に派遣したり、性別によって不合理な差別的労働者派遣を行ったりすることは禁止されています。

 なお、職業安定法第3条による差別的取扱いの禁止の対象には、障害者であることも含まれますので、障害者であることを理由として差別的労働者派遣を行うことは禁止されています。

派遣労働者の募集及び採用に係る年齢制限の禁止

 労働者派遣法に規定する労働者派遣に関して、派遣元事業主が行う派遣労働者の募集及び採用についても、原則として雇用対策法第10条は適用されます。

雇用対策法
(募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保)
第十条 事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。

登録型派遣の場合における募集及び採用について

 派遣元事業主が登録された者の中から派遣労働者の募集及び採用を行う場合でも、雇用対策法第10条の規定は当然に適用されます。

登録型派遣の場合における「登録」の取扱い

① 具体的な雇用契約の締結を前提とした「登録」の場合

 具体的な雇用契約の締結を前提とし、派遣労働者になろうとする者に「登録」を呼びかける行為は、労働者の募集に該当しますので、雇用対策法第10条の規定が適用され、年齢の制限を行うことができるのは雇用対策法施行規則第1条の3第1項各号に掲げる例外事由に該当するときに限られます。

雇用対策法施行規則
(募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保)
第一条の三 法第十条の厚生労働省令で定めるときは、次の各号に掲げるとき以外のときとする。
一 事業主が、その雇用する労働者の定年(以下単に「定年」という。)の定めをしている場合において当該定年の年齢を下回ることを条件として労働者の募集及び採用を行うとき(期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合に限る。)。
二 事業主が、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)その他の法令の規定により特定の年齢の範囲に属する労働者の就業等が禁止又は制限されている業務について当該年齢の範囲に属する労働者以外の労働者の募集及び採用を行うとき。
三 事業主の募集及び採用における年齢による制限を必要最小限のものとする観点から見て合理的な制限である場合として次のいずれかに該当するとき。
イ 長期間の継続勤務による職務に必要な能力の開発及び向上を図ることを目的として、青少年その他特定の年齢を下回る労働者の募集及び採用を行うとき(期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合に限り、かつ、当該労働者が職業に従事した経験があることを求人の条件としない場合であつて学校(小学校及び幼稚園を除く。)、専修学校、職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第十五条の六第一項各号に掲げる施設又は同法第二十七条第一項に規定する職業能力開発総合大学校を新たに卒業しようとする者として又は当該者と同等の処遇で募集及び採用を行うときに限る。)。
ロ 当該事業主が雇用する特定の年齢の範囲に属する特定の職種の労働者(以下この項において「特定労働者」という。)の数が相当程度少ないものとして厚生労働大臣が定める条件に適合する場合において、当該職種の業務の遂行に必要な技能及びこれに関する知識の継承を図ることを目的として、特定労働者の募集及び採用を行うとき(期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合に限る。)。
ハ 芸術又は芸能の分野における表現の真実性等を確保するために特定の年齢の範囲に属する労働者の募集及び採用を行うとき。
ニ 高年齢者の雇用の促進を目的として、特定の年齢以上の高年齢者(六十歳以上の者に限る。)である労働者の募集及び採用を行うとき、又は特定の年齢の範囲に属する労働者の雇用を促進するため、当該特定の年齢の範囲に属する労働者の募集及び採用を行うとき(当該特定の年齢の範囲に属する労働者の雇用の促進に係る国の施策を活用しようとする場合に限る。)。

② 具体的な雇用契約の締結を前提としない「登録」の場合

 具体的な雇用契約の締結を前提とせずに、派遣労働者になろうとする者に呼びかけて「登録」をさせる場合、その「登録」をした者から派遣労働者を募集又は採用するときには、雇用対策法第10条の規定が適用され、年齢の制限を行うことができるのは上記の例外事由に該当するときに限られます。

紹介予定派遣における派遣労働者の特定にあたっての年齢、性別等による差別防止に係る措置

 派遣先は、紹介予定派遣の派遣労働者を特定することを目的とする行為又は派遣労働者の特定を行う場合は、直接採用する場合と同様に、雇用対策法第10条と男女雇用機会均等法に基づく「労働者に対
する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」の内容と同様の内容の措置を適切に講ずる必要があります。

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