(派遣元の責務15)派遣元責任者の選任 of 労働者派遣法のポイント

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(派遣元の責務15)派遣元責任者の選任

 派遣元事業主は、派遣元責任者の職務を行わせるため、派遣元責任者を選任しなければなりません(労働者派遣法第36条)。

派遣元責任者の選任の方法等

派遣元責任者となる者の要件

 派遣元責任者は、次の①から④までのいずれにも該当しない者のうちから選任しなくてはなりません(労働者派遣法第36条)。

① 禁錮以上の刑に処せられ、「許可の欠格事由」の規定に違反し又は、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者

② 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの

③ 一般労働者派遣事業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して5年を経過しない者

④ 一般労働者派遣事業の許可を取り消され、又は特定労働者派遣事業の廃止を命じられた者が法人である場合において、当該取消し又は命令の処分を受ける原因となった事項が発生した当時に当該法人の役員であった者で、当該取消し又は命令の日から起算して5年を経過しないもの

⑤ 一般労働者派遣事業の許可の取消し又は特定労働者派遣事業の廃止の命令の処分に係る聴聞の通知があった日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に一般労働者派遣事業又は特定労働者派遣事業の廃止の届出をした者で、当該届出の日から起算して5年を経過しないもの

⑥ ⑤の期間内に廃止の届出をした者が法人である場合において、聴聞の通知の日前60日以内に当該法人の役員であった者で、当該届出の日から起算して5年を経過しないもの

⑦ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

⑧ 未成年者

 一般労働者派遣事業の許可について、派遣元責任者に雇用管理能力に係る一定の基準を満たすこと及び派遣元責任者講習を受講していることを選任の要件としています。

 特定労働者派遣事業については、法令上一定の資格能力は要求されていませんが、同様に派遣元責任者が労働関係法令に関する知識を有して、雇用管理に関し専門的知識又は相当期間の経験を有する者を選任することが適当と考えられています。

派遣元責任者の選任方法

 派遣元責任者は、次の方法によって選任しなければなりません(則第29条)。

(1)派遣元事業主の事業所ごとにその事業所に専属の派遣元責任者として自己の雇用する労働者の中から選任すること。ただし、派遣元事業主(法人の場合は、その役員)を派遣元責任者としてもよいことになっています。

 この場合、専属とは派遣元責任者に係る業務のみを行うということではなく、他の事業所の派遣元責任者と兼任しないという意味です。

(2)派遣元事業主の事業所の労働に従事する派遣労働者の数について1人以上100人以下を1単位とし、1単位につき1人以上ずつ選任しなければなりません。

派遣元責任者講習の受講

 派遣元責任者として選任された後においても、労働者派遣事業に関する知識、理解を一定の水準に保つため、一般労働者派遣事業において選任された派遣元責任者については、派遣元責任者として在任中は3年ごとに「派遣元責任者講習」を受講する必要があります。

 また、特定労働者派遣事業において選任された派遣元責任者についても、できるだけ「派遣元責任者講習」を受講したほうがよいでしょう。

製造業務専門派遣元責任者の選任

 物の製造の業務に労働者派遣をする事業所等は、物の製造の業務に従事させる派遣労働者の数について1人以上100人以下を1単位とし、1単位につき1人以上ずつ、物の製造の業務に従事させる派遣労働者を専門に担当する者(「製造業務専門派遣元責任者」といいます。)を、選任しなければなりません(則第29条第3号)。

 ただし、製造業務専門派遣元責任者のうち1人は、物の製造の業務に労働者派遣をしない派遣労働者(それ以外の業務へ労働者派遣された派遣労働者)を併せて担当することができます。

 物の製造業務に労働者派遣をする場合には、製造現場での就業の実情を考慮して、物の製造業務へ派遣された派遣労働者を担当する派遣元責任者と、それ以外の業務へ派遣された派遣労働者を担当する派遣元責任者とを区分して選任することにしています。

 例えば、労働者派遣事業を行う事業所における全派遣労働者300人のうち、物の製造の業務へ派遣されている派遣労働者が150人、物の製造の業務以外の業務へ派遣されている派遣労働者が150人である場合は、製造業務専門派遣元責任者を2人(うち1人は物の製造の業務以外の業務へ派遣されている派遣労働者を併せて担当することができます。)を選任する必要があります。

 また、労働者派遣事業を行う事業所における全派遣労働者50人のうち、物の製造の業務へ派遣されている派遣労働者が20人、物の製造の業務以外の業務へ派遣されている派遣労働者が30人である場合は、製造業務専門派遣元責任者を1人(この1人については物の製造の業務以外の業務へ派遣されている派遣労働者を併せて担当することができます。)を選任する必要があります。

派遣元責任者の職務

 派遣元責任者は、次に掲げる職務を行わなければなりません。

LinkIcon派遣労働者であることの明示等

LinkIcon就業条件等の明示

LinkIcon派遣先への通知

LinkIcon派遣先及び派遣労働者に対する派遣停止の通知

LinkIcon派遣元管理台帳の作成、記載及び保存

⑥ 派遣労働者に対する必要な助言及び指導の実施
 具体的には、労働者派遣事業制度の趣旨、内容、労働者派遣契約の趣旨、派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置、労働基準法等の適用に関すること、苦情等の申出方法等について必要な助言及び指導を行うことです。

⑦ 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理
 具体的には、派遣労働者から直接申出を受けた苦情及び労働者派遣法第40条第1項の規定によって派遣先から通知のあった苦情に、適切な処理を行うことです。

⑧ 派遣先との連絡・調整
 具体的には、派遣先の連絡調整の当事者となる派遣先責任者との間において⑦のほか派遣就業に伴って生じた問題の解決を図ることです。

⑨ 派遣労働者の個人情報の管理に関すること
 具体的には、派遣労働者等の個人情報が目的に応じ正確かつ最新のものに保たれているか、個人情報が紛失、破壊、改ざんされていないか、個人情報を取り扱う事業所内の職員以外の者が個人情報にアクセスしていないかについての管理を行うこと、また、目的に照らして必要がなくなった個人情報の破棄又は削除を行うこと等です。

⑩ 安全衛生に関すること
 派遣労働者の安全衛生に関して、派遣元事業所において労働者の安全衛生に関する業務を統括する者及び派遣先と必要な連絡調整を行うこと。
 具体的には、以下の内容に係る連絡調整を行うことです。

  • 健康診断(一般定期健康診断、有害業務従事者に対する特別な健康診断等)の実施に関する事項(時期、内容、有所見の場合の就業場所の変更等の措置)
  • 安全衛生教育(雇入れ時の安全衛生教育、作業内容変更時の安全衛生教育、特別教育、職長等教育等)に関する事項(時期、内容、実施責任者等)
  • 労働者派遣契約で定めた安全衛生に関する事項の実施状況の確認
  • 事故等が発生した場合の内容・対応状況の確認

 なお、労働者の安全・衛生に関する業務を統括する者とは、労働安全衛生法におけるLinkIcon安全管理者LinkIcon衛生管理者等が選任されているときは、その者を指し、LinkIcon総括安全衛生管理者が選任されているときは、その者を指します。また、小規模事業場で、これらの者が選任されていないときは、事業主自身を指します。

違反の場合

 派遣元責任者を選任しなかった場合又は派遣元責任者の選任が所定の要件を満たさず、若しくは所定の方法により行われていなかった場合は、労働者派遣法第61条第3号に該当し、30万円以下の罰金に処せられる場合があります。

 また、許可の取消し(労働者派遣法第14条第1項)、事業停止命令(労働者派遣法第14条第2項、労働者派遣法第21条第2項)、改善命令(労働者派遣法第49条第1項)の対象となり、上記の司法処分を受けた場合は、許可の取消し、事業廃止命令(労働者派遣法第21条第1項)の対象となります。

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