一般労働者派遣事業の許可申請、許可証 of 労働者派遣法のポイント

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一般労働者派遣事業の許可申請、許可証

 一般労働者派遣事業を行おうとする者は、管轄都道府県労働局を経て厚生労働大臣に対して、許可を申請しなければなりません(労働者派遣法第5条第1項)。

 この許可の申請は、許可申請関係書類を事業主管轄労働局に提出することによって行います(労働者派遣法第5条第2項から第4項まで)。
 なお、許可は「事業主」ごとに行いますが、事業主は申請に際して、一般労働者派遣事業を行おうとする各事業所の名称等を申請書に記載するとともに、事業所ごとに事業計画書等の書類を提出する必要があります(労働者派遣法第5条第2項から第4項まで)。

 事業主は、一般労働者派遣事業を行う事業所と特定労働者派遣事業を行う事業所の両方を持つことができますが、同一の事業所において、一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業の両方を行うことはできません。

特定製造業務の申請

 許可の申請に際して、特定製造業務(一定の物の製造の業務)を行う場合には、その旨を記載した申請書を提出しなければなりません。(労働者派遣法附則第4項)

 ここで、物の製造の業務とは、具体的には、物を溶融、鋳造、加工、又は組み立て、塗装する業務、製造用機械の操作の業務とその業務の付随業務として複数の加工・組立て業務を結ぶ場合の運搬、選別、洗浄等の業務をいいます。

 したがって、例えば、製品の設計、製図の業務、物を直接加工し、又は組み立てる業務等の工程に原料、半製品等を搬入する業務、加工、組立て等の完了した製品を運搬、保管、包装する業務、製造用機械の点検の業務、製品の修理の業務はこれに含まれません。

林業の業務

 林業の業務は、造林作業(①地ごしらえ、②植栽、③下刈り、④つる切り、⑤除伐、⑥枝打、⑦間伐)及び素材(丸太)生産作業(①伐採(伐倒)、②枝払い、③集材、④玉切り(造材))に分けることができます。

 このうち素材(丸太)生産作業については、立木を伐採し、最終的に丸太という人工物に「加工」することから、製造業務に該当しますので、①から④までの業務が時間的にも空間的にも連続的・一体的に営まれる業務ですので、素材(丸太)生産作業のすべての業務が製造業務に該当します。

 また、造林作業の③から⑦までの業務は、労働者派遣の対象となりますが、これらの業務と素材(丸太)生産作業の業務を同一の派遣労働者が同時に併せて行う場合は、その労働者派遣に製造業務が含まれているため、全体として製造業務に該当します。

 なお、林業における労働災害の発生頻度は、他産業に比べ高い水準にありますので、労働者派遣の受け入れにあたっては、労働安全衛生法等に十分注意する必要があります。

 また、労働者派遣事業の対象となる業務については、安全衛生の徹底を図るため、以下の措置等を講ずることとされています。

  1. 労働者派遣契約に安全及び衛生に関する事項を記載すること。
  2. 物の製造の業務に労働者派遣を行う場合には、製造業務専門派遣元責任者及び製造業務専門派遣先責任者を選任すること。
  3. 派遣元責任者及び派遣先責任者は、派遣労働者の安全及び衛生に関し、必要な連絡調整を行うこと。
  4. 派遣先は、派遣元事業主が派遣労働者の安全衛生に係る措置を実施するために必要な協力や配慮を行うこと。

許可要件

 一般労働者派遣事業については、事業が労働者派遣法の趣旨に沿って、適正に運営され、労働力需給の適正な調整が図られるとともに、派遣労働者の保護と雇用の安定が確保されることが必要となります。

 このため、許可制が採用されており、一定の要件を満たす者に限って許可されることになっていますが、この場合、労働者保護と雇用の安定のためのルールを遵守し、適正な事業運営を行うことができる資質を持っている者に限って事業の実施が認められます。

 そして、その事業について次の要件を満たす必要があります。

  1. 専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行うものでないこと。
  2. 派遣労働者に対し適切な雇用管理を行うこと。
  3. 個人情報を適正に管理し、及び派遣労働者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること。
  4. 一定水準の事業遂行能力を有すること。

 このような観点から、許可の欠格事由(労働者派遣法第6条)及び許可基準(労働者派遣法第7条第1項)が定められており、許可の申請に係る事業が、許可の欠格事由に該当せず、許可基準をすべて満たすと認められる場合にのみ、許可されます。

 なお、一般労働者派遣事業の許可を受けた後、許可の欠格事由に該当したときは、許可が取り消されます(労働者派遣法第14条第1項第1号)。

名義貸しの禁止

 一般労働者派遣事業は、欠格事由に該当せず、事業遂行能力や雇用管理能力等について許可基準に照らして審査を受けた事業主が自ら行うものでなければ許可制度自体の維持が困難となりますので、一般派遣元事業主について許可を受けた自分の名義を他人に貸して一般労働者派遣事業を行わせるは禁止されています(労働者派遣法第15条)。

 なお、一般労働者派遣事業について名義貸しを行った者は、労働者派遣法第59条第1号に該当することになり、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる場合があります。また、労働者派遣法に違反することになり、許可の取消し(労働者派遣法第14条第1項)、事業停止命令(労働者派遣法第14条第2項)、改善命令(労働者派遣法第49条第1項)の対象となります。

許可証の備付け及び提示

 一般労働者派遣事業の許可を受けた者は、交付を受けた一般労働者派遣事業許可証(以下「許可証」といいます。)を、一般労働者派遣事業を行う事業所ごとに備え付けるとともに、関係者から請求があったときは、これを提示しなければなりません(労働者派遣法第8条第2項)。

 許可証の備付け及び提示は、労働者派遣契約締結時の許可を受け、又は届出書を提出していることの明示(労働者派遣法第26条第4項)とともに、適法に労働者派遣事業活動を行っていることを関係者に知らせるための措置として重要なものです。

 これに違反して、許可証を事業所に備え付けず、また、関係者から請求があったときにこれを提示しなかった一般派遣元事業主は、許可の取消し(労働者派遣法第14条第1項)、事業停止命令(労働者派遣法第14条第2項)、改善命令(労働者派遣法第49条第1項)の対象となります。

許可証の返納手続

 許可証の交付を受けた者は、次のいずれかに該当することとなったときは、その事実のあった日の翌日から起算して10日以内に許可証(③の場合には、元々の許可証)を事業主管轄労働局を経て、厚生労働大臣に返納しなければなりません。
① 許可が取り消されたとき
② 許可の有効期間が満了したとき
③ 許可証の再交付を受けた場合
④ 一般労働者派遣事業を行う事業所を廃止したとき

 許可証の交付を受けた者が次のいずれかに該当するときは、事実のあった日の翌日から起算して10日以内に許可証を事業主管轄労働局を経て、厚生労働大臣に返納しなければなりません。
① 死亡した場合は、同居の親族又は法定代理人
② 法人が合併により消滅した場合は、合併後存続し、又は合併により設立された法人の代表者

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